+兄弟+
Scean3


「さてと、、、飯食うかな。っと、、、拓斗の様子も見ないと、、、」
そう言うと拓斗の部屋へと向かう。
『コンコン、、、』
「拓斗?いるか?」
『カチャ、、、』
ドアが開き拓斗が出てくる。
同じ家に住んでて、部屋も隣同士なのにそう話すことなんて無い、、、
考えてみればお互いの部屋に行くなんて滅多に無かった。
「あ、、、兄貴、、、」
「よっ!!なんかお前と話すの久々なきがするな。」
「うん、、、そうだね、、、」
拓斗はそっけなく返事をする。
「ってそうそう、、、どうしたんだよお前、、、最近学校行ってないって、、、」
「うん、、、ちょっと、、、ね、、、」
「風邪でも引いたのか?」
「そう言うのじゃなくてさ、、、なんか、、、疲れちゃって、、、」
そう言うと拓斗は下をうつむいてしまった。
いつも元気な拓斗はそこにはいなかった。
顔色もあまり良くなかったと思う、、、
「疲れたって、、、それだけか?学校とかちゃんといけよ?
それに勉強も、、、お前来年大学の、、、受けるんだろ?
だったらあんまり休むなんて良くないと思うけど、、、」
下をうつむいていた拓斗は顔を上げ、
「、、、そんなの、、、」
「えっ?なんだよ?」
「そんなの、、、そんなの言われないでも解ってるよ!!
そんな解りきってる事言わないでよ!!」
いきなり怒り出し、大声で拓弥に言いかかる。
「な、、、なんだよいきなり、、、」
「そんなこと兄貴なんかに言われないでも解ってるよ!!
解ってるよ、、、わかって、、、ひっく、、、」
いきなり怒り出したかと思うと今度は泣き出してしまった。
「お、、、おい、、、どうしたんだよ、、、」
あわただしく変化する拓斗の反応に、
拓弥はどうして良いのか困ってしまった。
「どうせ兄貴も俺の事なんて何も考えてないんだ!!
皆そうなんだ!!皆、、、みんな、、、俺の事、、、」
「おっ、、、おい、、、拓斗?」
「俺がいつも笑ってるから、、、何も、、、何も悩んでないだろうって、、、
本当はそんな事ないんだ!!いつも、、、いつも悩んで、、、
頭おかしくなりそうになるよ、、、」
「たく、、、と、、、」
拓弥は声をかけようとすると、
拓斗はキッ!!と拓弥を刺すような眼で見ると、
「出てってよ!!出てって!!」
「だけど、、、お前」
「、、、お願い、、、一人にさせて、、、お願い、、、俺なら、、、大丈夫だから、、、」
大丈夫、、、どう見ても大丈夫には見えなかったが、
このまま俺が此処にいることは望ましいとは思えなかった。
「、、、解ったよ、、、でもまた来るからな、、、」
そう言うと拓弥は部屋を後にした。
「拓斗、、、どうしちまったんだろう、、、」
拓弥は自分の部屋に行き、
部屋に入ると考え込んでしまった。


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