「Last Promise」
by magic rodサン
Scean4


「蒼斗、蒼斗」
純の声で目を覚ました僕はまだ頭の中が真っ白だった。
「蒼斗、オレ、そろそろ帰らなきゃいけないんだ」
その言葉で我に返る僕。
「そんな・・・。僕、嫌だ。もう離れたくない。もう、もう・・・」
まるで子供のように泣きじゃくる僕は純の胸に顔を埋めていた。
ちょうど3年前の純のように。
「オレ、丘の上高校受けるから、蒼斗も一緒に行こう」
「う・・ん。わかった。僕、一生懸命勉強して丘高いく」
「また半年後、ここで逢おう。合格の知らせを持って」
「うん」
交わされる約束。
泣きながらすがりつく僕に、純はもう一度キスをした。
それから通学路をとおり、一緒に遊んだ公園を抜け、駅についた。
「またな」
また会う日。
半年後の欅の下。
今日の日が思い出となって心の奥にしまい込まれないように。
純と同じ高校に行けるように。
すべてをかけてみようと思う。
この愛のために
あの逢瀬のために
その心のために
繰り返された約束のために・・・。
そう。最後の約束のために。


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