+えっち+
「瑞樹はこっちでも感じるんだ…」
「ちっ、ちがぁ…はふぁっ!」
まるで嘲笑するような声で大貴が言うと、瑞樹はとっさにそれを否定しようとする。
しかしアナルに入れ込んだ指が動くたびに、間違いなく瑞樹は快感を感じていた。
「ふーん…違うんだ。んじゃやめるか」
にやけた笑みをしながら、大貴は瑞樹のアナルに入れ込んだ3本の指を勢い良く抜き取る。
「はっ! ふぅ…」
指の抜ける瞬間に、瑞樹は身体を一瞬ビクつかせる。
「…どうした? 瑞樹」
「あ…ぅっぁ…」
自分の体内から大貴の指が抜き取られると、瑞樹は身体の一部を取り除かれたような気持ちになった。
いつもと変わらない肉体の筈…足りないものなどない筈なのに、全身には明らかな物足りなさを感じる。
「あ…せんぱ…せんぱい…」
物欲しげな表情をしながら、瑞樹は大貴の方を見つめる。
しかし大貴はそんな瑞樹の表情を見ても、何もしてはくれない。
「どうした? 何か欲しいのか?」
「あ…欲しい、です…」
大貴の言葉に、瑞樹はそう返事をする。
ただあくまでも何が欲しいのかとは言わず、それを大貴に解って欲しそうに瑞樹は見つめていた。
「へー…何が欲しいんだ? ちゃんと言わなきゃ解らないな」
本当は瑞樹が何を欲しがっているのかは解っているのに、大貴はわざとらしい声で言ってくる。
「あっ…だから、せんぱいの…せんぱいのを…」
その先を言おうとしても、恥ずかしさで声が出てこない。
「俺の何が欲しいんだよ」
言葉に戸惑っても、瑞樹の身体はより一層に失ったかのように感じる一部を求める。
ペニスもアナルもうずいてしまい、欲しくて欲しくてたまらない。
「せ、せんぱいの指…僕の、僕のお尻に欲しいですっ!」
全身に溜まっていく欲しい気持ちは、瑞樹の羞恥心を超えていく。
しかしそんな瑞樹の声に、大貴はにやけながら口を開く。
「ふーん…指で良いんだ…」
「あっ…」
その言葉が何を意味しているのか…そして自分の身体も、指くらいでは満足できないとも解った。
「瑞樹は指が良いんだ…」
「あっ…ちっ、あ」
自分の本当に欲しいと思うものはすぐに頭に思い浮かぶものの、やはり言葉として出すことに躊躇してしまう。
「指だね…」
そう言うと大貴は、瑞樹のアナルに再び指を埋める。
「はっ、はぁぁ…」
確かに自分の身体に足りないものが、満ちていくような気持ちにはなる。
けれどそれだけでは物足りない…もっと別のモノが欲しい…
「せ、せんぱ…お願い…指じゃ、いやぁ…」
グチュグチュとアナルを指でかき回され、快感を感じながら瑞樹は大貴に言う。
「ふーん…じゃあ本当は何が欲しい?」
「あっ…そ、それは…」
大貴は瑞樹のアナルに入れた指の動きを止めて、瑞樹に問う。
「言わなきゃ解んないよ…瑞樹」
本当は解っているにも関わらず、大貴はそうやって瑞樹の口から言わせようとする。
「せ、せんぱいのお…おちんちんが欲しいですっ! 僕の、僕のお尻に…せんぱいのっ」
アナルに欲しいと言った時以上の羞恥心を感じているにも関わらず、瑞樹はそうはっきりとした声で言う。
同時に両手で自分のアナルを持って、後ろにいる大貴に欲しいと言わんばかりに広げてみせる。
「…良く言えました。じゃあ仰向けになんな…」
大貴は小さく笑い、瑞樹のアナルから指を抜いてそう命令する。
「は、はいっ…」
瑞樹も大貴の命令を、黙って受け入れていた。
なぜ求めているのかは解らない…ただひとついえることは、快感を得たかった。
気持ちの良いことを、途中で止めたくなかった。
それだけ…