+Love You+
六話/アイシテル


将幸は終わらない悪夢の中で、完全に自分の意思がなくなる寸前まできていた。
もう行動する気力も、抵抗する力もわいてはこない。
身体はされるがままになり、数え切れないほどに友紀哉と身体を重ねている。
そして身体を重ねるごとに、何故自分がこの場所にいるのか、どうして抱かれているのかと言うことが、頭の中から消えそうになる。
それでも…それでもまだ将幸の中には、確実に『自分』がいた。
『逃げ出して…みせる…』
どんなになろうとも、譲らないと決めたその気持ちだけは消えることはなかった。
自分の心の奥に刻み込んだ想いは、簡単に消えるはずがない。
そう…何があろうとも、自分の気持ちは絶対に忘れないと心に誓った…だから…
しかし将幸の奥深くにある気持ちすら、友紀哉は少しずつ蝕んでいく。
絶対に譲らないと誓った自分の意思を、だんだんと薄れさせていき、そして忘れさせようとする。


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