+僕のサンタさん+


「キレイだね…」
「そうだな…」
圭太は少しだけ自分の身体を健に寄せながら、窓の外に降り続ける雪を見ていた。
雪は止まることく降り続き、黒い世界を白で満たしていく。
「くぅ〜ん…」
少しするとラグナは小さな身体を震わせながら、悲しそうな鳴き声を出して圭太の方へと近づいてくる。
「あははっ…ラグナも寒いのかな? ほら、こっちおいで」
そう言うと圭太はラグナを両手で持つと、自分の胸元へと抱きかかえる。
「あんあん!」
するとラグナはとたんに元気を取り戻し、嬉しそうな鳴き声をあげる。
「暖かい? ラグナ」
「あんっ!」
圭太の言葉に、ラグナは大きな鳴き声で返事を返してくる。
「そっか!」
ラグナの返事に、圭太は満面の笑みでそう言う。
「……」
健はそんな圭太の無邪気な笑顔に、少しだけ笑みをこぼす。
「あ…お兄ちゃんは、寒くない?」
心配そうに圭太が聞くと、健は少しだけ嬉しそうな表情をしながら返事を返してきた。
「いや、寒くないよ…圭太と一緒だからね」
部屋が暗くて良く解らなかったけれど、健の表情が少しだけ赤らんでいるようにも見えた。
「え、あっ…うん…僕もお兄ちゃんと一緒だから、全然寒くないよ」
そして健の言葉に、圭太は顔を真っ赤にしてそう言う。
今こうして自分が幸せな気持ちでいられるのは、隣にいる健のおかげ…そしてその健が、自分と一緒にいることを嬉しく思ってくれている。
この上なく、自分が幸せなのだと感じた。
「わんわんわんっ!」
圭太が健に言った言葉を理解しているのか、ラグナは少しだけ怒るように吠える。
「あ、ごっ、ごめんね。ラグナも一緒だもんね」
そう言って圭太は、ラグナの頭をなでながら慌てて言う。
「わんっ!」
するとラグナは、嬉しそうな鳴き声を返してくれた。
自分の周りには大好きなお兄ちゃんだけじゃなくて、自分を守ってくれるラグナもいる。
僕とお兄ちゃんとラグナ…ずっとずーーーーっと一緒でいられますように…
圭太はそう思いながら、自分の胸にいるラグナのことを強く抱きしめ、健の身体に倒れ込むように寄り添う。
そして外に降り続ける雪を、ただ眺めていた。
僕の一番欲しいものをくれる、大大大好きな僕だけのサンタさん達と一緒に…


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