少年調教日記
-現実-
しかし雅哉の感じた喜びは、真の一言で一瞬のうちに崩れていく。
「だからぁ…早くちょうだい? せんせいのおちんちん…」
その笑顔が、本当に自分の欲しかったものではないと気がつく。
単に笑顔を見せる真の顔に、自分の欲しい真の姿を重ねただけ…
「っ!! まこっ…くっあ」
雅哉が真の言葉に気がついた時には、既に真は雅哉のペニスに口をつけていた。
「んっ…むっ、っふ…ん」
真は慣れた口使いで、雅哉のペニスを愛撫していく。
もう幾度となく雅哉のペニスを口にしているせいか、無意識のうちに雅哉の感じる部分を理解しているようだった。
「ふっ…うぁ…まこっ、とぉ…」
雅哉は真の行動を止めようとするが、与えられる快感に全身の力が抜けていってしまう。
「せんせいのおちんちんだぁ…んっ、んっ…」
完全に欲望の塊と化したペニスを、真は小さな口で舐める。
自分の口から出る唾液を使い、先から流れる先走りの液体と混ぜ合わせ、雅哉の最も感じる部分を攻めていく。
「くっ…うっあ…はぁっ」
雅哉は必死に与えられる快楽から逃げようとするが、真の口は止まることなく動き続ける。
「んむっ…うむぅ…んっ…んっ…」
唾液と混ざり合う先走りの液体を時々喉に流しながら、真は雅哉のペニスを舐め続けた。
「まこ…と、やめ…ふぅっ、あっ!」
雅哉は絶頂へと達し、大きくしたペニスから精液を放出させる。
そして雅哉のペニスを口に含んでいた真は、先からどんどん流れ出る白い液体を喉へと流し込んでいく。
「んっ…んんんんっ…んうっ…」
雅哉の体内から放出されるドロドロとした液体を、真は吸い上げるように、一滴残らず飲み込んでしまう。
「くっ…は…はぁっ…はぁっ…まこ、と」
一瞬に感じる快楽に顔を歪ませた後、雅哉は大きな吐息を吐く。
「ん、っく…はぁ…せんせいのせいえきって、大好き…」
「まこっ…!」
そういう真の方へと顔を向けると、口からは飲みきれなかった精液が、唾液と共にぼたぼたと滴り落ちていた。
「ねぇ…せんせい…今度はー…僕のお尻にちょうだいー…」
そして真は自分のアナルに自らの指を入れ込みながら、放心状態の雅哉へと言ってくる。
「まこっ…と…」
「せんせぃ…ちょうだい…せんせいのおちんちん…お尻にちょうだいー…」
小さく笑顔を見せながら、真は雅哉の方へと近づいてくる。
笑顔…それは雅哉が本当に欲しかったもののはず…
けれど今目の前で見せる真の笑顔は、確実に自分の欲しいものではなかった。
「うっ…うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
突然に大きな声を出して、雅哉は自分のペニスを隠さないまま地下室を走って後にする。
「はぁっ…はぁっ…こんなはずじゃ…こんなっ! ぐっぅ」
暗い階段を駆け上りながら、雅哉は口から吐き出しそうになるのを必死に押さえ込む。
そして入り口のドアを勢い良く開けると、真が出てこないよう急いで鍵をかける。
「はぁっ、はぁっ…まことっ…まことっ!」
この中にいる人間は、真であることに間違いはない。
けれど雅哉には、それを受け入れることが出来なかった。
真は元気があって、自分に微笑みかけてくれて…
「まことっ…まこっ…うぶっ!」
思い出そうとすると、再び嘔吐感が襲ってくる。
「まこ…と…」
雅哉は自分の口元を右手で抑えながら、その場に膝をつける。
「まこと…まこと…」
そう何度も真の名前を口にしながら、鍵を閉めたドアの前で涙を流していた。