少年調教日記
2nd edition


「お邪魔しまーす」
元気の良い声が、恭介の自宅内に響く。
一人暮らしとはいえ、家は普通の一軒家よりもずっと広い。
この家はもともと恭介の親戚の家であるのだが、海外への長期出張ということもあり、留守中の管理も含めてこの家に住み込んでいた。
「へぇ…恭介兄ちゃんの家って、金持ちなんだなっ!!」
家の中に上がって応接間の辺りまでやってくると、翔太は大きな声を口にしてきた。
大人が口にすればただの嫌味のようにしか聞こえない言葉も、まだ幼く、そして笑みを見せる翔太が口にすると何故だか可愛いく感じてしまう。
「…いや、親戚の家なんだ。俺の実家は、そんな金持ちでもないさ…」
「ふぅん…でも凄いや…」
恭介の言葉にそう返事を返した後、翔太は再び家の中に目を向ける。
家の広さや置いてあるありとあらゆる物に興味を持ち、その目線はあちこちに動き回る。
そしてその後ろに恭介がおり、その恭介がどんなことを考えているかなど、知る由もなかった。
「…翔太…」
誰にも聞き取れないほどの小声で翔太の名前を呼び、その後姿を追いかける。
自分の意思は、はっきりとしていなかった。
ひとつだけ覚えていたのは、自分が翔太に対して特別な感情を持っていたことだけ…
それ以上のことは、今の自分の頭では考えられなかった。
自分で気がついた時…無意識に恭介の手は翔太の両腕をつかんでいた。
「恭介、にいちゃん? いたっ…ちょ、はなしっ…」
力を込めたつもりなどこれっぽっちもなかったが、心の中にある焦りが力の加減を出来なくさせていたのかも知れない。
翔太は痛みを感じて恭介の手を振り払おうとするものの、その力は小さな翔太では歯が立たない。
「にっ、にいちゃ…んんんんっ!!」
流石に恐怖を感じて恐る恐る恭介の方を向いた瞬間、口元を強い力で押さえつけられてしまう。
とっさのことに口を閉じることも出来ず、中にヌルヌルとした生暖かい感触が入り込んできた。
それは気持ち良さよりも、逆の気持ち悪さを感じさせる。
自分の唾液とは絶対的に違う、他人の感触…それは翔太に、大きな不快感を与えていた。
「んんんんっ…んんっ…」
「翔太…んっ…」
とても…とても深いくちづけを、恭介は翔太の唇にしてやる。
自分と翔太の唾液を絡め、時にはお互いの舌と舌を絡めもする。
「んんっ…んんんんっ…」
そんな状況でも、翔太は自分の身体をばたつかせて抵抗をしてみせる。
自分の身体を押さえつける恭介の両手から逃れようと、必死になっていた。
しかし所詮中学になったばかりの少年の力では、大の大人にかなう訳がなかった。
「翔太ぁ……しょうたぁ…」
恭介は翔太の名前を何度も口にし、その言葉も時と共にだらしのない感じのする声に変化する。
自分の目の前にいる翔太の身体に触れることに、酔いしれる自分…
極限に達した欲望は、とどまることなく恭介の腕を動かしていく。


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