射精


「はふっ…ふはぁっ!」
 の部屋で素肌をさらけ出し、四つん這いの状態で大きな喘ぎと熱い吐息を漏らす。
「どこが良いんだよ。口にして言ってみろよ」
「そっ、そんなのっ、言えな…。はあぁぁっ!!」
 意地悪そうなの問いかけに、は顔を赤らめて恥ずかしそうな表情を浮かべる。
 その気持ちを表現しようと口を開くが、言葉は途切れ、は身体を大きくひくつかせながら喘ぐ。
「ちゃんと言ってごらん。『僕のが気持ち良いです…』って」
「そっ…そんなことっ、言えな…んっ、くっはぁ」
 息を切らせるには、の右手の指が埋め込まれていた。
 指の数は既に4本を越えており、それがの中をかき回す。
 止まることなく与えられる快楽を前に、はひたすらに吐息と喘ぎ、そして身体をヒクヒクさせる。
「言えなくないだろ。…じゃあ良く見えるように、こうしたらどうかな…」
 そう言うとの身体をひっくり返し、仰向けの状態にさせる。
 当然には指を入れ込んだままの状態であり、全身に力の入らないは、のなすがままにされてしまう。
「いっ、いやだっ! こっ、こんなのっ…うっぁ、はふぁ」
 自分の身体の前面が見られる体勢にさせられたの瞳に映ったのは、快楽に対して素直に反応する自分のだった。
 誰かが触れた訳でもないのには大きくそそり立ち、今なお先走りの液体が放出されている。
「ここが気持ち良いんだろ?」
「ちがぁっ…はふぁっ、んっ…はぁぁっ!」
 再びの口からは、に対する意地悪な問いかけがなされる。
 同時にに入れ込む指も、激しく出し入れを繰り返す。
 するとは身体だけではなく、も大きくひくつかせてきた。
「お前の、触ってねぇのにすっげ動いてるぞ…」
 指が体内をかき回す度には前後に震え、止め処なく溢れる先走りの液体を自分の腹部に垂らしていく。
「ちがっ…こんなっ、の…んっ、はふぅ、ふぁっ!」
 の言葉を前に、はそんなはずがないと否定をしたいとは思う。
 しかし今自分の目に映る自らの身体は、の言う通りに反応している。
 は大きな羞恥心を前に、快楽に対して素直な身体から目を背けてしまった。
「違わないだろ。お前の、俺の指しっかり咥え込んでるし…」
「んっ、ふぁ…っく、んっ…んんっ」
「もっともっとを弄って欲しいって、泣いてるみたいだよ…お前の
 それでもは指の動きを止めることなく、またその口からも小さな笑いと共に、卑猥な言葉をに投げかけ続ける。
 はそれを必死になって聞こえない振りをするものの、そう意識することが余計にの言葉を耳に入り込ませ、恥ずかしさを助長させてしまう。
 その大きくなる羞恥心は快楽と混じり、のことを絶頂へと向かわせていく。
「んんっ…ふんっ、んんんっ」
 それはやがての声にも現れ出し、今まで喘ぎを上げていた口を完全に閉じてしまった。
 身体の奥からやってくる大きな射精感を我慢するため、全身を走る快楽を抑えようと歯をくいしばる。
「もうイク? 弄られて、から出しちゃう?」
「んっ…ふっ、ん…んんっ」
 が浴びせる声を前に、は顔を左右に振って否定をする。
 だがその反応とは裏腹に、やはり身体は素直に返事をしてくれる。
 の締め付けは今までにないほどに大きく、の指を捕らえて離さない。
 そして先走りの液体でぐちゅぐちゅになったは、小刻みな痙攣を始めていた。
「…出したいんだろ。溜まったもん、からいっぱい」
「んっ、んっ…んんんっ」
 何度が問いかけても、は首を左右に振り続ける。
 イクだけならばすぐにでも出したいというのがの本音ではあるが、の言う言葉がとにかく恥ずかしくて、どうしても射精をしたくない気持ちに駆られてしまう。
「んじゃまぁ…しゃーないか」
 このままではいつまでたっても射精をしないと感じたは、痙攣するに自分の唇を当てる。
 そして迷うことなくそれを口に含み、チロチロと舌の先を使って舐めてやる。
「んっ、ふあっぁ!」
「おっ…」
 の全身に強い電流が流れたかのような感覚が襲い掛かり、その瞬間に抑え込んでいた射精感が一気に外に放出されていく。
「んぁぁぁぁぁぁぁっ!! はぁぁぁっ、ふはぁっ…ふぁぁぁぁっ!!」
 からは白い精液が勢い良く射出され、それはの顔にまで飛び散っていく。
 限界を超えた射精感を我慢していたこともあって、その量はとても多い。
 はビクビクと大きく動きながら、止め処なく精液を放出させていく。
「すげっ…も、キュウキュウ締め付けてきやがる…」
「はっ、ふうっ…はぁぁぁっ…」
 射精に合わせるよう、はその締め付けをこれまでにないほど強める。
 それはの指が、食いちぎられるのではないかと思うほどの力だった。
「ふぅ…どうだ? さいっこうに気持ち良かっただろ?」
 は射精が収まると、から指を抜き取る。
「んっ、う。はぁっ、ふぅ…ふぁ…ふぁぁぁぁ」
 『ちゅぽん』という音と共にの身体は小さく跳ね、再び射精の余韻に浸る。
 大量の精液を放出した身体はこれまでにない脱力感を与え、はいつまでも夢見心地でベッドに横たわっていた。


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