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三話/おにいちゃんとお風呂


『ほえぇぇ…ど、どうしよう…』
 宗太はそう頭の中で思いながら、口元をお湯につけて延々と泡を立てる。
 とにかく恥ずかしくて、身体が落ち着かない。
 自分の後ろには宗平がおり、しかも裸でいる。
 それだけならまだしも、その素肌が自分の素肌と完全に密着している…。
「あぅぅ…ブクブク」
 お湯以外に感じる人肌特有の温かさが、さらに宗太の恥ずかしさを大きくしていた。
『落ちつかない…。落ち着かないよぉ…』
 必死になって落ち着きを取り戻そうとはするが、そんな宗太の意思も空しく、胸の鼓動はどんどん高鳴っていく。
 いつもなら緊張を解してくれるお湯の温かさも、感じる胸の鼓動をより高め、余計に緊張させる要因にしかならなかった。
 その環境に、宗太は完全にどうして良いのか解らなくなってしまう。
「はえ? お、お兄ちゃん? あっ…」
 一人心の中でどうしようかと考えていると、宗平はそんな宗太の身体に手を触れてきた。
 その手は迷うことなく宗太の前へとやってくると、左手は上半身にまわされ、右手は下半身へと向かう。
「はわっ、だっ、だめっ! お、にいちゃぁ…」
 宗平の身体に抱き寄せられそうになるのを感じ取ると、宗太は身体を小さくばたつかせて抵抗を見せる。
 バシャバシャと水の跳ねる音が聞こえたが、宗平の右手が宗太の下半身に触れた瞬間、すぐに湯船は静まり返る。
「宗太のおちんちん、まだまだ小さいな…」
 宗平はわざと宗太の耳元に息を吹きかけながら、からかうような小声を口にする。
 それは宗太の身体を一瞬にして脱力させ、抵抗する力をなくさせてしまう。
「お、お兄ちゃん…だっ、だめ、だよぅ…はふぁ」
 宗平の温かい右手が、宗太の下半身を優しくつかむ。
 そしてすぐにその手はゆっくりと動きを見せ始め、宗太は口から熱い吐息を漏らし始めた。
「宗太のおちんちん、大きくなってきた」
「や、だぁ…おにいちゃん、恥ずかしいよぉ…」
 大きな手に包まれる宗太の姿は、その中でムクムクと大きくなり始める。