「君がいるだけで僕は…」
by 子猫サン
Scean1
羽音山翼(はねやまつばさ)は、学校でいつも苛められていた。
しかし、愛犬のヴィルがいつも慰めてくれていたので、どんな苛めでも我慢できた。
だが、一年前に交通事故で両親と共に亡くなってしまう。
ヴィルはクッションがわりになって翼を助けたのだった。
それ以来、翼は犬を見ると逃げ出してしまうようになっていた。
そんなある日、翼は学校帰りにある公園で一匹の野良犬を発見した。
その野良犬を見た翼は驚愕した。なんと、ヴィルにそっくりの野良犬である。
ヴィルとの懐かしい思い出がよみがえる。
しかし、この野良犬にもヴィルと同じめに合わせたくないと思った翼は、
逃げ出すように帰っていった。
翼「はあ〜。あの野良犬、本当にヴィルに似てたな〜。
ああ、一瞬ヴィルが生き返ったのかと思ったよ。」
家に帰ってもあの犬の事が気になってしょうがない。
翼は意を決してさっきの場所に再び戻るのだった。
しかし、野良犬が同じところに長くいるはずも無く辺りをくまなく探しても、
さっきの犬を発見する事は出来なかった。
翼「はあはあ、どこいちゃったんだろ?」
その後ももう一度くまなく探したが結局見つける事が出来なかった。
仕方が無く家に帰る事にする。
家の近くまで帰ってくると犬の鳴き声がする。
よく聞くと自分の家の方からである。
翼は慌てて家に帰ると、あの犬がいるではないか。
翼は嬉しくてその場に座り込み泣いてしまう。翼の涙を犬が優しくなめる。
翼「うわ〜ん、ヴィル〜!!」
翼は泣きながらヴィルに似た犬をグッと抱き締めて離さなかった。
犬も何も抵抗しないまましばらくそのままでいた。翼が泣きやむと…。
翼「グスン、今日からお前の名前はビルだ〜!よろしくな、ビル♪」
ビル「ワン!!」
翼が飼うこととなった。しかもヴィルに似ていたのでビルという名前にした。
ビルは野良犬だったので酷く汚れていたので、
翼は早速風呂場でビルを洗ってあげることにした。
翼「ビル、気持ちいいか?」
ビル「ワオ〜ン!」
翼はお風呂から上がると冷蔵庫に何かあるかもと思い台所に行く事にした。
冷蔵庫を開けると買った覚えの無い食べ物があった。
よく見るとビルでも食べれそうだったので、前に使っていたヴィルの器に盛ってあげた。
翼「さて、僕も何か食べないとね。お腹空いちゃった。」
一緒に晩御飯を食べ終えると、ベルを連れて自分の部屋へ連れていった。
ベル探しに疲れた翼はベットに寝そべるとそのまま寝てしまった。
ベルも同じく寝ようとしたその時!