+いかせて、、、+
Scean1


『ピンポーン』
「はーい。どちら様でしょうか?」
「あ、、、俺です。裕樹です。」
「あ、どうぞあがってー。」
今日は家庭教師として准一の家にやってきた。
准一の家とは家族ぐるみの付き合いがあって、
ソコソコ勉強の出来る俺に、
勉強嫌いな准一の家庭教師をして欲しいってんでカテキョやってる。
別に嫌とかそういう気は無かったし、何より准一と2人きりってのもあった。
そりゃ、、、准一の両親はいたけどさ。
でも今日はちょっといつもと違ってた。
准一の家にあがるなり准一の母親は、
「ゴメンねー。今日学校の集まりがあってね、私も出かけなくちゃいけないの。
准一と2人きりなんだけど、留守番お願いしても良いかしら?」
そういう准一の母の言葉に断る必要なんてどこにも無かった。
准一と家に2人きりになれる、、、
「別に良いッスよ。」
「そう?ごめんなさいね。なるべく早くに帰ってくるようにするから。
准一、お母さん学校の集まりに言ってくるから、
お兄ちゃんと一緒にお留守番お願いね。」
「わかったよー。」
そう言うと准一の母親は早々と家を出て行った。
「さてと、、、んじゃま先に勉強すっか?」
「えーーーー。遊ぼうよー。」
「ダメだって。遊ぶのなんていつだってできんだから。
それにお前言わなきゃぜってー勉強しねーだろ?」
「う゛ーーー!!」
睨みつけるような目で裕樹の事を見る。
そんな准一の目を見ながら茶化すように、
「おお怖。ほれ、、、さっさとやるぞ。」
「、、、はーい。」
准一はしぶしぶ返事を返した。でも兄ちゃんと勉強する事は嫌いじゃなかった。
僕がわかるまでちゃんと教えてくれるし、
解りやすいし、何より凄い優しかったし、、、
僕にはお兄ちゃんいないけど、裕樹兄ちゃんがホントの兄ちゃんだったらなー、、、
って思うことは良くあった。


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