+美少年と少年+
Scean5


この公園は公園って言うよりは単なる広場に近かった。
あるのはブランコと滑り台しかなくて、、、
達弥はブランコに座り、俊一は横のブランコに座った。
少しの沈黙のあとに達弥が話し出した。
「あのさ、、、なんで、、、あの時僕にあんなこと言ったの?」
あんなこと、、、俊一はどんなことかすぐにわかった。
『なにか悩んでるの?』
その一言だった。
「、、、それは、、、」
俊一は言う事に少し悩みながらも話し出した。
「それは、、、そう思ったから、、、
達弥君、、、何か悩んでるのかなって、、、」
「、、、それだけ?」
「うん、、、達弥君ってクラスは勿論、学園全体で人気あるでしょ?
だから僕も達弥君のこと良く見ちゃうんだ、、、
いつも凄い笑顔で皆に明るく接してるし、優しいし、
凄く羨ましいなぁて感じで見てたんだけど、
達弥君時々凄い寂しそうって言うか、、、
達弥君見てるのが凄くつらいって思うときがあるんだ。」
「、、、、、、」
達弥は俊一の言う事を黙って聞いている。
「前からちょっとは感じてたんだ。
その時は気のせいだろうって思ってたんだけど、
最近特に達弥君のつらそうな感じがしたから、、、
変な事聞いちゃったよね、、、ホント、、、ゴメン。」
「、、、、、、、」
達弥は黙ったまま下を向いている。
「気にさわったなら謝るよ、、、ゴメン、、、」
「、、、そうじゃない、、、」
小声で達弥が話し出す。
「達弥、、、君?」
「そんなんじゃない、、、僕は、、、
ホントはそんなんじゃないんだ、、、」
泣いているようだった。
「ホントは勉強なんてしたくない!!
運動だって好きじゃないんだ!!
でもっ、、、でもっ、、、皆が、、、
僕が『凄い人』みたいに見るから、、、僕、、、僕、、、」
「達弥君、、、」
「皆、、、僕がなんでも出来るって思ってるみたいだけど、
そうじゃないんだ、、、皆が勝手に僕のイメージを作るから、、、
僕も合わせなきゃいけないんだって、、、」
大粒の涙を流しながら達弥は話している。
「ホントは、、、」
「良いじゃんそんなの、、、」
「え、、、」
そういう俊一に達弥は驚いた。
「だから、、、達弥君にそういうイメージを持ちたい奴は
持たせておけば良いってこと。
別に達弥君はそれに合わせること無いと思うよ。
だって、、、達弥君は達弥君なんだし、、、」
「でも、、、皆に嫌われちゃうよ、、、今までのは嘘だった、、、って、、、」
「言いたいやつには言わせておけば良いじゃん。
それで嫌いになるやつなんかほっとけば良いよ。」
「、、、、、、でも」
「僕は達弥君の味方だよ。学園の皆が達弥君の事嫌っても、
僕は絶対達弥君の味方する。絶対に!!約束するよ!!」
「俊一、、、君、、、ほんとに?」
「あたりまえじゃん!!
だって、、、友達が苦しんでるのに助けてやれないなんて最悪だろ?
あ、、、そりゃ、、、僕みたいになんのとりえも無いと、
助けがあっても役に立たないって言うか、、、
邪魔になるだけかも知れないけど、、、サ。」
そういう俊一に達弥は大きく首を振り、
「そんなことない!!
そんなこと、、、ないよ、、、嬉しい、、、凄く、、、嬉し、、、」
達弥はまた大粒の涙を流して泣いた。
でもさっきとは違う、、、嬉し涙、、、
「あ、、、あのさ、、、」
言葉をかけようとした俊一に達弥は俊一の身体に寄りかかる、、、
「っと、、、達弥君、、、」
「えっ、、、えっ、、、ありが、、、とう、、、」
涙が止まらない、、、嬉しくて、、、嬉しくて、、、
「、、、大丈夫、、、僕は何があっても達弥君の味方だから、、、」
「、、、俊一君、、、僕、、、俊一君のことが好き、、、大好き、、、」
俊一の胸で泣きながら達弥は言う。
「え、、、達弥、、、君、、、」
「おかしいかもしれない、、、でも、、、僕俊一君といたい、、、」
いきなりのことに俊一は驚いたが、
「、、、ほんとに、、、僕なんかで良いの?
、、、僕、、、なんかとりえがあるわけじゃないし、、、
他の人のほうがずっと魅力あると思うよ、、、」
自信無さそうに俊一は言う、それに対して達弥は
「、、、うん、、、俊一君で良いんだ、、、
僕は、、、俊一君じゃなきゃ、、、ダメなんだ、、、」
「でも、、、」
「俊一君は、、、僕の事わかってくれた、、、
俊一君だけが僕の事、、、わかってくれたから、、、」
そう言うと達弥はねだるように俊一にキスをする、、、
「俊一君だけだよ、、、」
「達弥君、、、」
そう言うと俊一は達弥を抱きしめキスをする、、、
「ん、、、」
誰もいない公園で、、、2人は長く、、、
時間を忘れて抱き合いキスしていた。


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