+本当のこと+
Scean2


『ガチャ!!』
深夜も12時をまわった辺りに、玄関のドアを開く音がする。
食堂の方に明かりがついているのが解った。
「あっ、、、お兄ちゃんおかえりなさい。」
食堂のドアを開けると、眠たそうな表情をしながら挨拶をする圭太がいた。
「なんだ、、、まだ起きていたのか。」
「うん、、、お兄ちゃん帰ってこないから、なんか心配で、、、」
「最近は仕事が終わらなくて、帰りは遅いと言ってあるだろう。」
「解ってるけど、、、心配で寝れなかったから、、、」
申し訳なさそうに圭太は返事を返す。
「、、、もう今日は遅い、明日も学校があるんだろう?早くに寝るんだぞ。」
そう言うと健は自分の部屋へと行ってしまう。
「うん、、、」
圭太もまた自分の部屋へと帰っていく。
お兄ちゃんのことが心配だから、、、もちろんそれも心配だけど、
本当は自分がこの家でひとりぼっちじゃないと思いたいから、、、
だからどんなにお兄ちゃんの帰りが遅くても待ってるんだ。
それでもやっぱり寂しくて、、、寂しくて、、、
「ひっく、、、おとう、、、さん、、、おかぁ、、、さん、、、えっ、、、ひっ」
毎夜毎夜自分の部屋のベッドで横になりながら泣いて、、、
「えっく、、、えっ、、、おにぃ、、、ちゃん、、、」
圭太の右手は自分の股間へと行っており、まだ幼いペニスを触っている。
いつもこうやって、、、自分で自分を慰めてるんだ、、、
寂しいことに変わりはないけれど、
こうしている時は少しだけ忘れることができる気がするから、、、
だけど、、、いけないことしてるって思いもあって、、、
「んっ、、、」
気がつくと朝になってる。
自分でも気がつかないうちに寝てしまう。
朝の7時半を過ぎたあたりだったが、家の中には誰かがいる気配は無かった。
「お兄ちゃんは、、、もうお仕事に行っちゃったかな、、、」
自分の部屋から食堂へと移動する。
すると食堂の机には健の置手紙とお金が置いてあった。
、、、朝に置手紙がある場合の内容はいつもとおなじ、、、
『今日も遅くなる。食事は好きなものを食べなさい。』
毎日同じ内容、、、だけどもしかしたら違うかもしれない、、、
そんな思いを抱きながら置手紙を読む。
けれどいつも同じ内容の手紙、、、
「仕方ないよね、、、お兄ちゃんお仕事忙しいんだし、、、」
悲しそうな表情をしながら、その場に立ちつくす。


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