+本当のこと+
Scean3


健お兄ちゃんは以前からお父さんと付き合いのあったお隣さんで、
昔から僕と良く遊んでくれたんだ。
お兄ちゃんはあんまり喋ったりすることとか無いんだけど、凄く優しいんだ。
僕が怪我をするとすぐに助けに来てくれたりするし、
友達と喧嘩して泣いて帰ってきたときも、すぐに慰めてくれた。
大好きなお兄ちゃんなんだ。
それでなんでお兄ちゃんの家にお邪魔してるかっていうと、
僕のお父さんとお母さんがお仕事で遠くに行っちゃうから、
面倒を見て欲しいってことになったらしくて、、、
それで健お兄ちゃんならってことでお父さんもお母さんも僕を安心して預けられるし、
何より僕もお兄ちゃんと一緒にいられると思うと、凄く嬉しかった。
でも最近はお仕事が忙しいみたいで、顔を合わせることも少なくなっちゃって、、、
大好きなお兄ちゃんと一緒に住んでいるのに、
とても寂しくて、、、毎日寂しくて仕方なくて、、、
本当はお兄ちゃんと色々と遊びたいし、お話したりもしたい、、、
だけどそれは僕の我侭だし、言っちゃいけないよね、、、
お兄ちゃんに迷惑をかけちゃいけないから、少しくらい我慢しないといけないよね、、、
「あっいけないっ!!学校行く準備しないと、、、」
チラッと時計を見ると、焦るように言う。
食堂にあったパンを適当にかじりながら急いで着替えを済ませると、家を後にする。
「行ってきます。」
誰もいない部屋に、圭太の元気な声が響く。
もうずっと返事の返ってきたことのない挨拶、、、


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