「Last Promise」
by magic rodサン
Scean2
木々に覆い隠された小さな神社のそば。
大きな欅の木。約束の場所。
当時158cmだった僕がつけた傷。
その傷跡とまったく同じ高さに頭がくる。
何度溜息をついてもなお僕はあの日のまま。
あの日と同じ。
その『最後の約束』の呪縛から逃れるために・・・
すべての約束を捨ててここに来た。
たわいもない・・・それでも今の僕や親友にとって大切な約束でも・・・
僕はこの3年間にすべてをかけたんだ。
携帯のディスプレイが9:00を指す。
約束の時まであと15分。
それはいままでの3年間にくらべたとしても・・・
永劫に続くように感じられた。
大樹に身をもたれかけて澄んだ空を見上げる。
雲が流れ鳥が舞い木の葉が吹く。
そんな僕の顔の前に現れたのは・・・純だった。
「待った?」
そう尋ねる声も、声が発せられる位置も仕草も違う。
それでもその面影の残る端正な顔立ちを見て、僕は驚きを隠せなかった。
「純?本当に純?」
「ああ、そうだよ。待たせたな、蒼斗」