「Last Promise」
by magic rodサン
Scean3


僕の記憶の中の純ではなかった。それでも僕はそんな純をまだ愛しているのに変わりはなかった。
僕を見下ろすほどの長身。しっかりと引き締まった身体がシャツの上からでもわかる。
そして端正な顔立ちと優しい瞳。それは3年前の僕でもあった。
「大きく・・・なったんだ」
「前はオレのほうが見下ろされてたのにな」
「今、何センチ?」
「175はあるんじゃないかな」
「へぇ〜」
「蒼斗は・・・変わらないな」
「そう?」
「ああ。あの時のまま。何も変わらない」
ふいに3年前の自分のしたことが思い出され、背筋が凍った。
「あのさ、3年前のことなんだけどさ、僕・・・」
おそるおそる口にした言葉は遮られた。
「頼むから何も言わないで」
口調も、仕草も、何もかも3年前の僕だった。作られた蒼斗。
それを純は完璧に演じきっているんだ。
そして僕はといえば、ひどく怯えたまま見上げる、3年前の純がそこにいた。
「蒼斗。3年前に蒼斗に抱かれた時、すごく怖かった。
そして悲しかった。なんで蒼斗はこんなことするんだろう?
オレのことが嫌いになったんじゃないか、
もう会いたくないからこういうことをするんじゃないかって不安だった。
でも、その時からオレは蒼斗に恋してたんだ。もう1度蒼斗に逢いたい。
そして蒼斗みたいになりたいと思った。
カッコ良くて背が高くて大きい存在でオレを守ってくれる。
そんな蒼斗になりたくってこの3年間いろんなことをしてきた」
「でも、僕は・・・うぅん、それは本当の僕じゃない。
純のことが好きだったから・・・
純を愛していたから、カッコつけて『蒼斗』を演じてたんだ」
「それでも構わない。
オレは、強いところも弱いところも全部ひっくるめて蒼斗を愛している。
オレは蒼斗を愛するために3年間待ったんだ。蒼斗の気持ちに応えるために」
迷った末に開いた口は、その本来の目的を達する前に塞がれた。
温かく柔らかい純の唇に・・・。
「んっ」
奥深くまで僕を知ろうとするように侵入してくる舌に自分の舌を絡ませながら、
いつしか僕は純の胸の中に収まっていた。
身体中の力が抜けて純に追いすがると、優しく僕の身体を抱きとめた。
「もう離さないから・・・。もう離れないから・・・」
僕を抱きしめていた身体が一瞬離れた後、
後ろから抱きすくめられる形で再び純の胸の中に僕の身体は収まって、
再びキスの雨を浴びた。
どれだけの時が経ったのだろう?
僕を抱いていた手が離れたかと思うと、
シャツの上から胸の辺りをまさぐられて身体が震えた。
「やっ、じゅ、じゅん」
「怯えないで。優しくするから」
次第に捲り上げられたシャツを脱がされ、
抱え込まれるような格好のまま胸を愛撫され、
唇を塞がれ、甘い囁きを聞き、僕の中心は熱を帯び始めていた。
「お願い、純、もう、やっ」
解放された口からやっとのことで絞り出された言葉も純には届かなかった。
嫌だったのでも拒否したのでもない。でも、もう少し時間が欲しかった。
きちんと純に詫びた上で、僕の15年分の気持ちを伝えたかった。
「やんっ、あんっ、だ、だめっ、あっ」
いきなり欲望の中心を握られ、思わずあげた甘い声が自分のものだと信じられない。
まるでそれは、怯えながらも喘ぎつづけた純の声そのままで。
「もっと声聞かせて」
器用に下着ごとズボンが取り払われ、靴も脱がされ、
スニーカーソックスを残し一糸纏わぬ姿になった僕を見つめる純。
綺麗な瞳だ。そう思った。
「んっ、やぁっ、やだっ、やんっ、やっ」
直接にソコを弄られて、意思とは関係なく漏れる甘い嬌声。
「やんっ・・じゅ・・ん・・あい・・してる・・・」
「オレもだよ、蒼斗」
僕の口を塞ぎながら愛の言葉を囁いていた純の口が下に這う。
舌で胸の突起をなぞり、そのまま降りてくる。
そのまま僕自身を深く咥えこまれ、身体中に快感が駆け巡る。
「あぁっ、はぁっ、やぁっ、じゅん、じゅん」
想い人の名を口にしながら、僕は純の口の中に果てた。
名残惜しむようにそこから口を離した純が向かった先は、3年前僕が貫いた場所。
「じゅ・・ん・・」
「大丈夫。痛くしないから」
解すように這い回っていた舌がそっと中に入ってくる。
しっかりと愛撫され、
いくらか締め付けがゆるんだそこに指を突き立て、グリグリと掻きまわされる。
痛みは感じなかった。むしろそれに大きく勝る快感が強すぎた。
「やっ、やぁっ、あんっ、はんっ、あっ、やんっ」
「力抜いて」
いったん指が抜かれると、指よりも太く大きいものが入ってきた。
純自身に貫かれた僕の秘部はいやらしい音をたてながら痙攣を繰り返していた。
「蒼斗、いいよ。最高だよ。あおと・・あいしてる・・・あいしてるから・・・」
最後はうわ言のようになった声を聞きながら、僕は2度目の精を放った。
そして身体が純で満たされ、
お腹の中が純の出したもので満たされるままに僕は意識を手放した。


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