+First Love+
Scean3


「そういえばさ、達也はクリスマスとかどうすんの?」
「はっ?俺?」
誰もいないコンビニで雑談をする。
「そ。達也カッコいいし、やっぱ恋人とかと過ごすの?」
「えぇっと、、、まぁ、、、そんな感じ、、、かな?」
嘘を言った。何故か解らない。別に嘘をつく必要なんて無いはずなのに、、、
本当は一人で過ごすのに、、、って、、、
別に一人だって言うのが恥ずかしかった訳じゃない。
一人なんて毎年のことだし、、、
今まで誰かと付き合ったことが無い訳じゃない。
でも何故か本当に相手を好きになれなくて、、、
クリスマスは家族以外の誰かと過ごした記憶は無い。
「そっか〜、、、へへっ、、、」
光流は何故か嬉しそうに、
いかにも『俺にも聞いてよ』みたいな表情をしている。
「そういうお前はどうすんだ?」
「俺?俺も恋人とかな?」
嬉しそうに光流は話してた。
以前相談にあった少し仲が悪いってこと、、、仲直りできたみたいだった。
なんか、、、嬉しいような悲しいような、、、変な気持ちになった。
「どうした?」
「んっ?あぁ、、、別になんでも、、、」
「あー、、、さては恋人のこと考えてたんだろ?」
「違うって、、、そりゃお前だろ?嬉しそうな顔しやがって、、、」
あきれたような顔で達也は言う。
「そりゃクリスマスだもん。好きな奴と一緒にいられること、、、
考えるだけでも嬉しいよ、、、」
「そういうもんか?クリスマスって。
別に普通の日と変わんないと思うけどな。」
クリスマスを恋人と過ごすなど、
今までした事のない達也には理解できなかった。
「そんな夢の無いこと言うなよ。そりゃ俺も言うほど気にしてないけどさ。
でもやっぱ『クリスマス』って言うと、恋人と過ごしたいって思うよ。」
「ふーん、、、そういうもんなのか、、、」
「そういうもんだって。ってか達也も恋人と過ごすんでしょ?
そんなこといってると彼女に怒られるかも。」
「そんなんで怒るような奴と付き合いたくないね。」
あっさりと言う達也に、
「ははっ、、、達也らしいや。きっと達也と恋するのって難しいかもね。」
笑いながら光流は言った。
「ほっとけっての、、、ったく、、、」
『好きな奴と一緒にいられること、、、考えるだけでも嬉しい、、、』
自分の好きな奴と一緒にいられることを考える、、、
クリスマスでなくても嬉しく思ってしまう。
こうしていつも通りに会話をしているだけでも嬉しいこと、、、
だけれどもそれ以上は望むことは出来ないこと、、、
望んではいけないこと、、、たとえ自分が相手を好きであったとしても、、、


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