+First Love+
Scean5
「、、、光流、、、」
ゆっくりと近づき、声をかける。
いきなり呼ばれたことに驚いてたけど、すぐに返事を返してくる。
「あ、、、たつ、、、や?
ど、、、どうしたのこんなトコで?今日クリスマスだし、、、
それに、、、彼女と過ごすんじゃ、、、」
必死に泣いていたことを隠そうとしてた。
必死に元気に見せようとしてた、、、
「光流、、、さっきの、、、」
「!!っ、、、あ、、、見てた、、、んだ、、、」
「あっ、、、その、、、別に見ようとしてた訳じゃなくて、、、
その、、、偶然見つけて、、、その、、、声、、、かけようと思ったんだけど、、、」
「へへっ、、、嫌われちゃった、、、マジで、、、」
「えっ、、、」
笑いながら光流は話しつづけた。
「他に好きな人が出来たから、、、だって、、、
やっぱ、、、男同士じゃおかしいだろ、、、だって、、、」
「光流、、、」
光流は止めることなく話しつづけた。
「そりゃ、、、自分のしていること、、、
思っていることが少し変だってことくらい解ってる、、、
でも、、、でも、、、俺、、、本気だったから、、、」
「、、、、、、」
「だけど、、、結局それって俺の独り善がり、、、
俺が勝手に気持ち押しけてたんだ、、、好きって気持ち、、、
迷惑だよね、、、そんなの、、、相手のこと、、、全然考えてなくて、、、」
無理に笑いながら言う光流に達也は、
「、、、そんなことないよ、、、好きって自分の思いだし、
好きっていう気持ちはとても嬉しいことだよ、、、
そりゃ、、、好きだから何をしても良いって訳じゃないけど、、、
好きって言うのは、、、決して迷惑じゃないよ、、、」
今考えるとこの時言った言葉、、、
自分が光流を好きだという気持ちへの言い訳だったのかも知れない。
自分が光流が好きだということは迷惑じゃないかって、、、
「そう、、、かな、、、でも、、、俺、、、」
光流は下をうつむき、無言になってしまった。
そんな光流を達也は知らずに抱きしめてた。
「えっ、、、ちょ、、、たつ、、、や、、、?」
「俺、、、光流のことが好きだ、、、」
「えっ、、、なに、、、言って、、、」
光流を抱きしめる達也の腕は、少しずつ強くなっていく。
「俺は、、、光流が好きって、、、言ったんだ、、、嘘じゃない、、、本当に、、、」
俺の好きだという気持ちは、光流に迷惑かもしれない、、、
でも、、、俺は本当に好きだから、、、達也はそう思ってた。
そんな達也に光流は驚きながらも、
「、、、だけど、、、俺は男だよ、、、それに、、、
俺なんかに好きになったって良いことないよ、、、
それに、、、いつかきっと傷つくよ、、、そのことで、、、俺も、、、達也も、、、」
そう言いながら光流は達也の手を離そうとするが、
達也はそのままきつく抱きしめてやる。
「大丈夫だよ、、、良いことなんかなくたって、、、
光流が好きでいられるだけで十分過ぎるよ、、、」
「でもっ、、、だけど俺は、、、もう、、、嫌だ、、、もう嫌だよ、、、
好きになっても、、、きっと、、、きっといつか、、、」
光流は眼に涙を浮かべ、声を震わせながら話す。
達也はそんな光流に言った。
「、、、じゃあ約束する、、、
俺は光流をそんな気持ちに2度とさせないって、、、絶対、、、絶対に、、、」
達也のかけてくれる言葉、、、優しい一言一言、、、凄く嬉しい、、、
そして達也の言ってくれる言葉は本当だって解ってた、、、だけど、、、
素直に受け取れなかった、、、達也の気持ち、、、
光流は達也の言葉に反抗するように言おうとした。
「口なら、、、口ならいくらでも言え、、、!」
達也は光流にくちづける。
「んっ、、、ぁ、、、」
「光流、、、」
唇が触れる程度の軽いキス、、、
「っあ、、、たつ、、、や、、、?」
「ゴメン、、、俺、、、どう言えば、、、
どうすれば光流に俺の気持ちが伝わるのか解らない、、、
でも、、、俺は本気だから、、、光流が好きだから、、、
本当に勝手な俺の気持ちの押し付けかもしれない。
だけど、、、だけど大切にしたいって思うから、、、傷ついて欲しくないから、、、」
「、、、、、、」
光流は暫く黙っていた。
「光流?」
光流は達也の胸に寄りかかるようにしてきた。
「あ、、、」
「、、、雪、、、降ってるし、、、寒いから、、、少しこうさせて、、、」
「光流、、、」
達也は再びそっと光流を抱きしめる。
「、、、暖かい、、、達也と一緒にいると、、、」
暖かかった、、、とても暖かかった、、、身体も、、、心も、、、
近すぎて解らなかった、、、近くにいたから気づかなかった、、、
自分をとても大切にしてくれる人がいたこと、、、
そして自分もその人と一緒にいたかったと思っていたこと、、、