+White Love+
Scean7
「ん?あれ、、、遥じゃねーか?なにしてんだ?こんなとこで。」
夜もふけてきた辺りになった頃、涼太はバイト帰りにその公園を通りかかる。
偶然だった。いつもは別の道を使うのに、何故か今日は此処を通っている。
「ちょっと驚かしてやるか。」
そういうとこっそり遥に近づき、声をかける。
「よっ!!遥。」
「!!っあ、、、りょう、、、た?」
遥は涼太がいきなり現れたことに驚いてしまった。
「どうしたんだ?こんな時間にこんなトコ一人で?」
「えっその、、、涼太こそどうしたの?」
「俺?俺はバイト帰り。
クリスマスで皆出ちゃってて人手が足りねぇとか言われてさ。」
「そうなんだ、、、大変、、、だね、、、」
「どうしたんだ?なんか元気ないじゃん。」
涼太は心配そうに遥に聞く。
「あっなんでもないよ、、、大丈夫、、、」
「そうか?だったら良いけど、、、」
「ねぇ、、、涼太、、、ちょっと、、、良いかな?」」
「ん?あぁ別に良いけど、、、どうしたんだよ。」
「あのさ、、、そのっ、、、」
遥は涼太の顔を見ることが出来なかった。
とても恥ずかしくて、、、
「どうしたんだよ?」
「、、、その、、、」
言おうと思っていることはなかなか言えなかった。
「なぁ、、、雪降ってて寒いしさ、俺んち行くか?」
「あっ、、、すぐだから、、、此処で、、、良いから、、、」
ずっと心の中で思ってた、、、ずっと、、、
『今、、、今言わないと、、、涼太に伝えないと、、、でないと、、、きっと、、、』
そう思ってた。今言わないときっともう言えない、、、そんな気がした。
「涼太、、、その、、、ゴメン、、、ゴメンなさい、、、」
遥は唐突に謝り、深く頭を下げる。
「ちょっ、、、どうしたんだよ急に!?俺お前になんかしたのか?」
いきなりのことに涼太は驚いてしまった。
「違うよ、、、僕が、、、僕が今まで涼太にしてきた事、、、全部、、、」
「えっ、、、」
遥はそのまま続けた。
「僕涼太に今まで凄いわがままばっかり言ってたと思う。
あっ、、、思う、、、じゃないよね、、、わがままばっかりだったよね、、、
本当は自分でも解ってたんだ。『わがまま言ってる』って。
だけど涼太はそれに全部応えてくれるから、次から次から、、、
本当はどうでも良いことばっかりだったんだ。だけど、、、その、、、」
「遥、、、」
遥は言葉に詰まりながらも話し続けた。
「僕は涼太のことどう思ってるか自分でも解らなかったんだ、、、
でも今日皆と会って、色々話して、自分がどう思ってるかとか、、、
色々解ったことがあるんだ。」
「、、、」
涼太は何も言わず遥の話を聞いていた。
「もう遅いかもしれない、、、涼太はもう僕の事大嫌いなのかもしれない。
でも涼太に言いたい事が、、、あるから、、、」
「、、、、、、」
「僕、、、涼太が、、、涼太が好きだから、、、」
「えっ、、、」
「今更だってのは解ってる、、、
ホント、、、ゴメンね、、、この間一方的に別れたばっかりなのに、
『好き』だなんて、、、ホントわがままだよね、、、ゴメン、、、」
ずっと下を向き、涼太と眼を合わせることは出来なかった。
その後少しの沈黙の後遥は言った。
「そのさ、、、言いたかった事ってのはそれだけ、、、
だからどうしたって訳じゃないけど、、、サ。」
遥は笑いながら言った。だけど本当は辛かった、、、
本当は、、、本当は、、、
しばらくの沈黙の後、涼太は遥に言葉を返す。
「遥、、、俺もお前の事好きだぜ?今だって、、、」
「えっ、、、」
自分に言われた言葉が良く解らなかった。
自分のことを好きだと言っている事が、、、
涼太は驚く遥を気にせず、そのまま続けた。
「俺は今でもお前が好き、、、
ってか今までも面と向かって言ったこと無かったけどさ。」
照れて頭をかきながらも話し続ける。
「その、、、なんつーか、俺バカだからさ、
お前になんかしてやりたいけど思い浮かばなかったから、
お前の言うこと聞くくらいしか出来なかったし、、、
あ、だけど全然嫌じゃなかったぜ?
好きな奴のことなら何でもしてやりたいって思ってたしな。」
「でもっ、、、だけど、、、僕、、、僕涼太のこと嫌いだって、、、言って、、、」
うつむく遥に涼太は笑いながら、
「そんな気にすんなって、
お前が本気で言ったんじゃないって解ってるから、、、大丈夫だよ。」
その言葉を聞くと、遥は涼太の身体に身を寄せる。
「っと、、、おっ、、、おい、遥?」
遥は涼太の胸に抱きつき、そのまま涙を流した。
「涼太、、、りょうたぁ、、、大好きだよ、、、大好きだよぉ、、、」
解ってくれてた、、、自分の気持ち、、、
遥はずっと涼太の胸で泣いてた。
「遥、、、」
涼太は遥を自分の身体から離すと、遥の唇にキスをした。
「んっ、、、」
初めてだった、、、こんなキスをしたのは。
今までキスをしたことが無かった訳じゃない。
だけど感じたことが無いくらい嬉しいキスだった、、、
「んっあ、、、」
涼太はゆっくりと唇を離す。
「、、、ごめっ、、、嫌だった?」
心配そうに聞く涼太に対して遥は、
「ううん、、、気に、、、しないで、、、もっとして欲しい、、、
キスして欲しい、、、涼太に、、、」
「遥、、、」
そう言うと涼太は再び遥を抱きしめ、口づける。
「ん、、、」