+会えてよかった+
一話
「えっと…ナースステーションはっと…」
太陽は病室を出ると、ナースステーションを書かれたプレートを頼りに、矢印の書かれている方へと向かう。
行く途中に人それぞれ、様々な医療器具をつけている人を横目に、少しだけ早足で歩いていた。
「…時々病人になりたいって思うけど…やっぱ健康が一番だよな…」
太陽はそう痛烈に感じながら、目的の場所へと歩く。
「あ…すいません。今日201号室に入院した奥山なんですが…」
ナースステーションの窓口に到着すると、太陽はその場にいた看護婦に話しかける。
「あ、ちょっと待ってて下さいね。今担当の先生を呼んできますから…」
するとその場から走るように奥の部屋へと向かい、そこにいた白衣の男性に声をかける。
するとその白衣の男性はゆっくりと立ち上がり、太陽のもとへと歩いてきた。
「えっと…201号室の奥山さんですね…えっと、息子さんですか?」
「はい、そうです。えと、今後のこととか伺いたくて来たんですが…」
「えっと、少しばかり長くなるかも知れないので、中で話しましょう」
そう言うと白衣の男性は、太陽をナースステーションの中に招く。
そして大きな机の上で、病状や今後の予定。
入院の案内や手続きの方法などを、約一時間余り聞き続けていた。