+会えてよかった+
七話


「よしっ…これで全部かな…」
太陽は母親の病室にある荷物をひとつのバッグにまとめ終えると、包帯で左手をつっている母親にそう言う。
「じゃあ母さん、ちょっと先生のところにご挨拶とか行って来るわ。ちょっと長くなるかも知れないけど…」
「あぁ、解ったよ。じゃあ俺、近くの公園にいるからさ」
「終わったら迎えにでも行くわ」
そういうと母親は、ゆっくりと病室を後にする。
「さてと…んじゃ行くか」
母親を見送った後、太陽は大きなバッグを持って病室を後にする。
「……」
太陽はただ黙ったまま、ゆっくりと歩いていた。
病棟のから出て廊下を歩き、順番待ちをしている人でいっぱいの受付を通って病院を後にする。
「良い天気だな」
空を見上げると、そこには雲ひとつない青空が広がっていた。
太陽の日差しも強く、冬とは思えないほどに暖かい。
「絶好の日、って感じだな…」
少し暗い口調でそう言うと、太陽は人通りの少ない道を歩いていく。


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