+Love You+
二話/強制


「…少し、静かにしててね…」
「てめっ…なにしやがっ…」
地面に仰向けに倒れながら友紀哉の右手に目を向けると、青光りと共にバチバチという大きな音が聞こえてきた。
「ひでぇ…はんそ、く…だぞ…」
口も痺れてしまい、はっきりとした声を出すことが出来ない。
「…僕は将幸君のことを傷つける連中から…守ってあげるから」
「なに、言ってや…がる」
全身が動かなくとも、将幸の目線は友紀哉の顔を追い続ける。
完全に不利な状況であっても、必死に睨みをきかせていた。
「…将幸君は、僕がちゃんと愛してあげるから…」
友紀哉の言っている言葉は全く理解出来なかったが、少なくとも目の前にいる人物の姿は、以前とは明らかに違う印象を受けた。
尋常じゃない雰囲気が、友紀哉の全身から感じ取れる。
「てめっ…ふざけ、んなっ!」
痺れてなくなっている感覚を必死になって探りながら、将幸は四肢を動かそうとする。
僅かに手が上がったり足が動いたりはするものの、そこに力は感じられない。
「…将幸君…無理しなくても良いよ…僕はちゃんと君のこと、愛してあげるから…」
「なにいって…んんっ!」
再び将幸が友紀哉の言葉に反論しようとすると、仰向けになる将幸の横にしゃがみ、口を自分の口でふさいできた。
「んっ…んむっ…」
全身の緩んだ筋肉は、友紀哉の侵入をあっさりと受け入れてしまう。
「んんんっ…んんっ!」
将幸は入り込んでくる友紀哉を受け入れまいと、四肢から力を抜き、持てる力の全てを口元へと集中させる。
しかし僅かな抵抗しかすることが出来ず、友紀哉の口は将幸の口から離れない。
「…将幸君…」
将幸が全身の力を口に集中している隙に、友紀哉は将幸の学生服を脱がせていた。
感覚の失せている将幸には、それすらも理解できない。
「てめ…なにしやが、っる」
やがて友紀哉の口が自分の口元から離れたとき、初めて自分の置かれている状況が解った。
お互いの唾液で汚れた口をそのままに、将幸は抵抗の言葉を発する。
「…大丈夫だよ…すぐに良くしてあげる」
すると友紀哉は将幸の肌の上に吐息を吹きかけるように言うと、舌を使って将幸の乳首を舐めていく。
「ひあぁっ! あっ…はぁっ…」
痺れで全身の感覚がなくなっているはずなのに、与えられる快楽だけは身体を駆け巡る。
快感だけを感じる肉体は、いつも以上に将幸の感度を高くしていた。
「将幸君…可愛い…」
そう呟きながら、唾液を混ぜた舌で将幸の全身を這うように動く。
やがてその口はもう一人の将幸のもとへと向かっていき、友紀哉は迷うことなく口で舐め始める。
「あぁぁっ、くっ、くあぁぁっ! はぁぁぁ…ふぁぁぁ…」
初めて感じる感覚は、今までにない喘ぎ声となって表に噴出していく。
「将幸君…凄く悦んでくれてる…僕、嬉しいな…」
将幸の発する声に、ペニスから流れ出る先走りの液に…友紀哉は喜びを感じる。
自分は今将幸のことを愛してやっていて、それを将幸が最高に悦んでくれていると…友紀哉はそう思っていた。
「あっ…あぁぁぁぁぁぁっ!! うっ、はぁっ…はぁ」
将幸は大きな喘ぎと共に、友紀哉の口の中へと精液を流す。
最高の快楽に、将幸はただ身を委ねるだけだった。
「…将幸君…凄く可愛い…誰にも傷つけさせなんてしない…」


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