+Love You+
五話/意思と本能


「んっ…ふぁ…ぁ」
他人の舌が口の中へと入り込んでいき、自分の舌と絡まりあう。
激しく交わる部分からはピチャピチャと音が鳴り、嫌でも自分の気持ちを淫媚な方へと推し進めていく。
それは同時に恐怖や怯えといった感情を消し去ってゆき、将幸のことを性に対して貪欲な存在へと変化させる。
「将幸君…もっと、感じて…」
ささやくような声が耳元で聞こえてくると、自分の素肌に微弱な冷たさを感じる。
「んっあ…はっぁ…」
ただ肌の上に冷たい手が触れただけなのに、将幸は喘ぎにも似た声を上げる。
触れる手が僅かに冷えていることもあってか、素肌は敏感に反応してしまう。
「将幸君…」
友紀哉の右手は将幸のシャツの裾から入り込んでいき、何かを捜し求めるように上半身を動き始める。
「あっ…はぁっ…あっ、んむぁっ!」
「ここ…凄く感じるんだ…」
将幸の胸部に入れ込んだ手が小さな突起部分を探り当てると、友紀哉はその部分を指先を使って執拗に攻め始める。
柔らかい部分を指で擦り、つまんで優しく動かしたりする。
その度に将幸ははっきりとした喘ぎ声をあげ、その身体は明らかに快感を感じているのだと伝えてくる。
それは目の前にいる友紀哉のことを喜ばせることになり、愛撫する動きをより一層に激しくさせる。
「はぁっ…んむっ、んんっ…ふぁ…」
「将幸君…将幸君…」
どんどんと激しくなる友紀哉の動きに、将幸は完全にその身体を預けてしまう。
抵抗する力は完全に消えうせてしまい、立っていることすら危うくなる。
「はぁっ…んむ、ふぅっ…ぁ」
友紀哉の手は動きを止めることをせず、口元も激しく将幸を攻める。
力の抜けてしまった将幸の口はだらしなく開き、口元には唾液がダラダラとこぼれ出していた。
「汚しちゃ、いけないからね…」
そう言って友紀哉は、将幸の口から流れてくる唾液を舐めとっていく。
しかしその動きは口元だけに留まることはなく、下の方へと動き出す。
服の下に入れていた手はいつの間にか将幸の上着を脱がせており、今まで手の触れていた部位に、今度は友紀哉の口が当てられる。
「はぁっ! っく、っぁ…」
指先とは異なる生温かな感触に、将幸の身体は無意識に硬くなってしまう。
「緊張…しないで…すぐ良くなるから…」
友紀哉は少しだけ口元を放してそう言うと、再び元の場所へと戻していく。
薄いピンク色をした突起部を口に含むと、唾液を大量に絡ませた舌を使って愛撫し始める。
「はっ…あっ、んあぁぁっ…はっふ…ふぅっ…」
「どこも感じやすいね…将幸君」
違うと言いたい…本当は友紀哉などに愛撫されても、感じたくない…
そう思っても身体は正直に反応を返し、身体を動かす力をも奪っていく。
将幸の身体は、いつの間にか友紀哉の身体に支えられるようになっていた。
「はぁっ…んっ、っく…ふぁぁ…んっ!」
「…こっちも、凄い感じてるみたいだね」
友紀哉は空いた右手を、今度は将幸の下半身へと運ぶ。
その手は学生服のズボンの上から探るように揉みしだき、そこにあるものの形を確認するように撫でる。
「大きくなってる…凄い熱いね…」
「はぁっ…はぁぁぁっ! んっ…っふ」
ズボンの上から与えられる微弱な刺激でも、将幸は今まで以上の快感を感じ始める。
そしてその様子を見た友紀哉は、右手の動きを活発化させていく。
布製のズボンを擦る音が大きくなると共に、将幸の口からは激しい喘ぎが漏れていく。
「あっ、はっ…やっ、んあぁぁっ…はぁぁっ」
乳首には相変わらず口による愛撫が続けられ、将幸は全身に与えられる快楽に喘ぎ声でしか返事をすることが出来なくなっていた。
「将幸君…将幸君…っ!」
将幸のことを愛撫する友紀哉の声も、だんだんと熱い吐息の混じったものに変化していく。
また特に触れた訳でもないのに、ズボンの一部は今にもはちきれそうなほどに大きくなっていた。
「んぁぁっ…っく、いっ、く…い…っぁ」
「将幸君…はぁっ…将幸君…」
目の前で感じ続ける将幸の姿に、友紀哉はこの上ない喜びを感じていた。
愛するものが、自分の行為で悦んでくれる…それは友紀哉にとって、最高の快楽だった。
「ふあっ、いくっ…いっ、あぁぁぁぁっ!!」
やがて将幸は身体を激しくひくつかせながら、これまでにないほどの大きな喘ぎをあげる。


[1]Next
[2]back