+Love You+
六話/アイシテル
もう…全てを忘れてしまいそうになる。
抱かれる理由も、自分がこの場所にいる理由も…
全てにちゃんとした理由があったはずなのに、友紀哉と身体を重ねるたび、その理由が遠ざかってゆく。
毎日のように友紀哉に犯され、何度もイかされて…
そしてその快楽に、身を委ねている自分がいた。
気持ちの良いことに、自分の欲望は正直になっていく。
日を追うごとに大きくなるその素直な気持ちは、友紀哉から逃げたいと思う気持ちを薄れさせてしまう。
快楽を求める本能…それが将幸の身体を、この場所に留まらせる。
そしてまたその本能が自分の意思を無視し、快楽を与えてくれる場から離してくれない。
逃げたい…でも逃げたくない…相反する2つの想い。
しかし何日間も止まることなく与えられる快楽に、本能は素直に反応をする。
逃げたい気持ちが薄れ、逃げたくない気持ちが日に日に大きくなっていく。
同時にそれは、友紀哉のことを受け入れ始めていることを意味している。
そう…将幸の心の大半は、友紀哉しか映らなくなりつつあった。
そして僅かに残った、将幸の心に刻んだ自分の意思…
やがてそれも、歪んだ愛情の中に飲まれてゆく…