少年調教日記
-崩壊-


「…うっあ…ぅあ…」
雅哉は自室にこもり、部屋中の窓にあるカーテンを閉め、ベッドの布団へともぐりこんでいた。
それからはもうその場所から出ることもなく、数日が過ぎようとしている。
しかし部屋も暗く、布団に潜り込んだままでいる雅哉には、もう日にちの感覚自体がなくなっていた。
「まこ、と…まこと…」
どんなに日数が経っても、雅哉は眠ることが出来なかった。
ただ真のことを考え、布団の中で怯え続ける日々。
すぐにでもこの場所から、逃げ出したいとも思うようになっていた。
「まこと…まことっ…」
それでも雅哉は真のいる自分の家から、離れることは出来なかった。
「うっ…ぅあぁ…」
ひとりの自分は、この場所からすぐにでも逃げ出したいと思っていた。
自分が壊してしまった真…そしてその真を見ることへの恐怖から、すぐにでも逃げ出したいと思う。
けれどもう一人の自分が、それを拒絶していた。
それは真のことを愛する自分…どんなになっても真のことを愛そうとする自分が、逃げることを拒んでいた。
「はっ…はぁっ…まことっ…」
自分の身体の中で、相反する感情がぶつかり合う。
そしてその感情の間に、真のことを誘拐して、壊してしまったという現実が重く圧し掛かる。
「うわぁぁっぁぁ!! うっぁ…うあ…」
どんなに日にちが経とうとも、入り乱れる感情に変化は見られない。
ただ雅哉の心の中を混乱させ、正常な思考能力を奪っていく。
人としての生きる為に必要な本能すらも忘れ、雅哉は一人布団の中で全身を震わせていた。
ただひたすら…真のことを考えながら…
恐怖と愛情と現実の狭間で、雅哉はもう壊れていくことしか出来なかった。


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