少年調教日記
2nd edition
「ねぇ…さっきからずっと俺のこと見てるみたいだけど、なんかついてるのか?」
暫くすると、少年は再び恭介のもとへとやってきてそう声をかけてきた。
その声は先程のように明るいものではなく、明らかに不信がっているのが解る。
「…いや、そういうんじゃないんだ…」
そんな少年の気持ちを知ってか知らずか、恭介は少しだけ目をそらしながらそう口にする。
少年の顔を見て話すと、また気持ちがどこかに飛んでしまう気がしたからだった。
「じゃあ、なんなんだよ…」
そう口にする少年の声は、さっきよりも不信感を感じさせる。
幼さ故の素直な性格も関係しているのか、その気持ちは表情にも表れているようだった。
顔が強張り、始めて見た時とはまるで別人のようにも感じられた。
「好きなのか? …サッカー」
チラチラと少年の姿を横目に見ながら、恭介は低い声を口にする。
その姿は間違いなく怪しく、普通の大人なら適当なことを言って逃げ出すかも知れない。
しかし好奇心旺盛な少年はその場から離れようとはせず、むしろそんな恭介の言葉に興味を示してきた。
「あ、うんっ! おじさんもサッカー好きなのか?」
すぐに少年の表情は柔らかくなり、可愛いと思ったその顔つきへと戻る。
コロコロと変化する少年の表情に、恭介の心はより一層に惹きこまれていく。
もっともっと…この少年のことが知りたい…そしてその小さな身体に、触れてみたい…
ユニフォームの袖から出る、まだ細く僅かに焼けた両腕…
その身体には若干大きいパンツの裾から出る、肉付のいい太もも…
この両手に触れて、全てを感じてみたい。
…頭の中に持った欲望が、少年と一緒にいる時間が長くなるにつれて大きくなっていく。
「あ、あぁ…昔、ちょっとやってたからな…」
それでも正常な意識だけはと思い、恭介は自分の視線はずっと横にそむけたままだった。
少年の姿をその瞳に収めてしまえば、間違いなく自分の欲望は止まらなくなる…
それを、どこかで感じていたからかも知れない。
「ほんとっ?! じゃあ教えてよっ!! 俺、上手くなりたいんだっ!!」
恭介がサッカーの経験者だと言うことに、少年は満面の笑みで喜びを返してきた。
辺り一面に響き渡るほどの大声を出しながら、少年は恭介の腕をつかんで引っ張る。
「わっ、解ったから…手ー放せっ!」
「あっ、ご…ごめんなさい…俺、嬉しくて…」
そう口にしながら、少年は恭介の腕をつかむ手を放す。
そしてその場に顔を落とし、その表情は目に見えて落ち込んでいるのが解る。
…まただ…この素直な反応に、恭介の心が揺らぐ。
「いや…良いんだ。ほら、やるなら早くやるか…お前、名前は?」
「あ、俺翔太!! 中学1年生なんだっ! 宜しくな、おじさん」
「…恭介だ。それに俺はまだ20だ。おじさんじゃない」
ようやく翔太の言葉に否定の返事をすると、恭介はゆっくりと公園の広場へと足を運ぶ。
「解ったよっ!! 宜しくお願いします、恭介兄ちゃん」
その後恭介は出来るだけ少年の顔を見ないようにしながら、持っていた知識をもとにサッカーを教えていた。
しかしその間中に恭介の頭の中にあったことは、少年へ向けられる欲望しかなかった。
…その身体に、触れたい…
気持ちが膨張していく…限界寸前まで、膨らんでいく…
止めることの出来ない気持ちが、破裂する…