+抱いて欲しい+


「ひゃっ、あっ!」
龍平は自分の上半身に裕明の手が触れた瞬間、身体を大きくビクつかせて驚きの声をあげる。
「どっ、どうしたんだ?」
素肌に触れれば多少なりとも驚くだろうとは思っていたが、龍平の驚きようは裕明 の思っていた以上だった。
「あっ…裕明さんの手、凄い冷たかったから…」
「えあっ…っ! あぁ…俺、冷え性だから、手が冷てぇんだ…あはははは」
裕明は思いだしたように自分の手を見つめ、照れ笑いを浮かべながら口にする。
「そ…そうなんだ…」
「…でも龍平の身体に触ってれば、温かくなるかもな…」
少しだけ口元を緩ませながら、にやけるような顔を見せ、僅かにはだけている龍平の素肌に再び触れる。
「ひゃっ…あっ…」
驚きの声こそ発したものの、先程のように大きくはなかった。
「…冷たい?」
「んっ…少し、だけ…」
素肌に手を触れられ、龍平は少しだけ恥ずかしそうな声を出してきた。
『…あぁぁ…龍平〜…』
顔つきこそ真面目だったが、裕明 の心の中は完全に夢心地になっていた。
とても温かくてスベスベとした、龍平の肌の感触…そして恥らう表情。
それだけでも、意識が遠のきそうになる。
「龍平の肌って、すっごいキレイだね…」
「んっ…そんなこと、ないよ…」
裕明の素直な感想も、龍平は頬を赤らめながら否定する。
やがて肌に触れる手はゆっくりと、上半身の突起部分に触れ始める。
「はっ…んんっ…」
まだ冷たさの残る裕明の手が乳首に触れた瞬間、龍平は身体を一瞬だけひくつかせて驚きを表現してきた。
しかしその後は、口から熱い吐息が漏れ出してくる。
「ここ…気持ち良いんだ…」
意地悪そうな声を出しながら、裕明は指先を使って、龍平の乳首を愛撫し始める。
今まで触れていた部位よりも若干硬さを持つ部分を指でつまみ、舐めるように動かしていく。
「んんっ…んっ、っふ…う…」
龍平の口からは熱い吐息の他に、喘ぎにも似た声が出てくるものの、その声はとても小さい。
何かと思って龍平の表情を見た瞬間、裕明は気持ちよさを我慢しているのだとすぐに解った。
「…龍平? 我慢しなくても良いんだよ。俺以外に、誰もいないんだから…」
「んっ…ふっ、んっ…」
そう言っても、龍平は口を開こうとしない。
ただ赤くした顔を横に何度も振り、喘ぎ声を口にすることを否定し続ける。
「…そっか、じゃあ仕方ないな…」
そんな龍平の表情に、少しだけ意地悪をしてやりたくなった。
もっともっと恥ずかしくて気持ちの良いことをして、無理やりにでも喘ぎ声をあげさせてやろうと思った。
裕明はにやけるようにそう口にすると、龍平の着ている上着を一気に脱がせていく。
「わっ…わぁぁっ!」
龍平は突然のことに驚きの声をあげるが、裕明はそんなことなど気にも止めず、上着を剥ぐように取ってしまう。
「龍平…」
あらわになる龍平の上半身…間近で見ることなど一生ないと思っていた姿が、目の前にある。
「あっ…裕明さん?」
その姿をずっと見ていたいとも思ったが、今はそれ以上に龍平のことをいじめてやりたいと思った。
「凄い気持ちよくて、嫌でも声が出ちゃうかもねー…よっと」
冗談交じりのような声を出しながら、裕明はゆっくりと龍平の上半身に自分の顔を近づけていく。
「ちょっ、裕明さっ…あっ、くっ…ぁ」
そして今まで手を触れていた部分に、今度は唇を持っていく。
コリコリとした感触を、舌の上で撫でるように舐める。
「気持ちいい? 龍平…」
「あっ、っく…くっぅ…あっ」
龍平の顔をはっきりと見ることは出来なかったが、その声だけでも快感を我慢しているのだと解る。
「もっと、気持ちよくしてやるよ…」
そう言うと裕明は自分の唇を、ゆっくりと舌の方へと動かし始める。
「はっ…恥ずかしいよ、裕明、さん…」
キレイな龍平の上半身を、裕明の口が這うように動いていく。
すると龍平は小さな声で、そう言ってきた。


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