+抱いて欲しい+


今度はさっきまでの優しい手の使いではなく、強い力を入れて龍平の身体に触れる。
「あっ、っつ…いたっ…」
手の冷たさと僅かに感じる痛みで、龍平は一瞬だけ顔を歪ませる。
しかし裕明は手の動きを止めることなく、ゆっくりと龍平の下半身へと持っていく。
「すぐ…気持ちよくなるから…」
「えっ…あっく! くはぁぁぁっ」
耳元でささやくような声を出すと、裕明の右手は龍平の秘部へと入り込んでいた。
突然のことに龍平は驚き、そして強い圧迫感で身体が押し潰されそうな感覚に襲われる。
「…痛い? でも、すぐよくなるから…」
裕明の声は龍平の耳元で、ささやくように伝えられる。
それには興奮する裕明の吐息も混じっていた。
それは龍平の全身から力の全てを抜き去り、自分の内部を弄られている痛みを緩和させているようだった。
「はっ、ふぅっ…はんっ、あっ…」
少しずつ指の本数を増やし、そして動きも活発化させる。
同時に龍平の全身からは力がどんどんと抜けていき、裕明の身体にしがみつくようになっていた。
右手も左手も、まるで駄々をこねる子供のように裕明の服を引っ張る。
「龍平の中、凄い温かい…俺の手が冷たいから、より一層にそう感じるのかな?」
裕明は小さな笑みを浮かべながら、嬉しそうに右手を動かす。
「やっ…はっぁ…はっ、はぁっ…はぁ」
熱い吐息ばかりが龍平の口から漏れ、そして裕明はそれを間近で感じていた。
快感による産物…それがより一層に裕明の心を躍らせ、手の動きを自制できなくさせていく。
「龍平…可愛い」
「はっ…はぁぁっ…んっ、あっ…はぁっ…」
やがて与えられる快感によって、龍平の下半身は再び硬さを持ち始める。
触れていないのにそれはヒクヒクと小さく動き、先からは液体が垂れ始めていた。
「おちんちんも、気持ち良い?」
裕明 の表情も声も、まさに楽しんでいると感じられるものだった。
「んんっ…! ふっ…ふぁぁっ…」
龍平は否定をしようとしているのか、顔を動かして言葉を発しようとする。
しかし全身に与えられる快感は、それを許してはくれない。
言葉を出そうとしても、それは吐息によって全てが遮られてしまう。
「ここも…どんどん良い感じになってるよ…」
「あふっ…ふやぁ…んあぁっ」
龍平の秘部に入れ込まれた指の数はいつの間にか3本に増え、その全てが完全に身体の中に埋められていた。
「龍平…もう良い? 俺も…」
「ふっぁ…ふぁぁ…んんっ!! はぁ…はぁ…?」
我慢の出来なくなった裕明はそう口を開き、今まで龍平の身体に入れ込んでいた指を一気に抜いてしまう。
すると龍平は一瞬だけ身体をひくつかせ、不思議そうに顔を裕明 に向ける。
「…龍平?」
「あっ…あの…」
龍平は言葉こそ発しはしないが、その瞳は何かを求めるように裕明を見つめていた。
「…あっ! ふーん…どうしたんだよ、龍平。そんな顔して」
その瞳の意味をすぐに感じ取ると、裕明は再度龍平をからかうようなことを口にする。
「えっ、あ…」
「…どうして欲しい? 俺にどうして欲しいんだ?」
本当は解ってても、それ以上の言葉を裕明から言おうとはしない。


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